“東京デザイナー”、気吐く――売り上げ急上昇、パリ・NYに出店。

ファッション

日本市場に足場を置いたデザイナーがアパレル(衣料品)業界の新しい旗手として浮かび上がってきた。ニコル(本社東京)の社長でもある松田光弘氏をはじめとする「東京コレクション」のメンバーが作る商品は、個性的なファッションを武器に主要百貨店の中でも売り上げの伸び率が抜群。こうした国内での好調さを背景に日本で生み出したファッションをパリやニューヨークでも販売する動きが急速に出てきており、フランスと同様に日本でもデザイナービジネスが大きな比重を占める産業として育つ可能性が大きくなってきた。
東京コレクションは、世界のバイヤーを集めて開くパリコレクション(ファッションショー)に対抗し、東京にも世界からバイヤーが集まるような質と規模を持つショーを一定期間内に集中的に開催するため、昨年結成されたもの。
メンバーは松田光弘氏をはじめ、稲葉賀恵(所属企業名ビギ)、山本耀司(同ワイズ)、花井幸子(同マダム花井)、川久保玲(コム・デ・ギャルソン)などのデザイナー合計十四人。このうち約半数は社長としてアパレル企業の経営に当たっている。

森英恵、三宅一生、山本寛斎など現在の日本を代表するデザイナーは、まずパリで名を売って日本でビジネスを拡大してきた。これに対し、東京コレクションのメンバーはまず日本での地位を固めてから世界にも目を向け始めたといえる。日本という大きな衣料品市場を後盾に、第二世代ともいえるデザイナーによるビジネスが開花期を迎えようとしている。

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